「高齢者は……」などとひとくくりにできないほど、シニア層のライフスタイルは個性的で、生きがいや趣味も多様化しています。元気度や健康の具合も様々です。たとえば、60代の人よりも元気な後期高齢者の方もいれば、身の回りのことをすべて自分でされている方もおられます。
図1のグラフは「年代別人口に占める要支援・要介護認定者の割合」です。85歳以上はさすがに半数以上が認定を受けていますが、80~84歳だと27%、79歳以下では割合はぐんと下がります。要支援・要介護認定者は案外少ないことがわかりますね。
日常生活が制限されることなく、心身ともに自立して健康的に暮らせる期間のことを「健康寿命」と言います。元気で長生きということですね。介護や病気の状態だと自立して元気に日々の生活が送りづらくなります。人生100年時代、健康長寿で生きていくための工夫と日々の心掛けについて考えみましょう。
【図1】年代別人口に占める要支援・要介護認定者の割合
出典:厚生労働省「介護給付費等実態統計月報」、総務省「人口推計月報」の各2020年7月データを元に作成
目次
健康長寿のカギを握る「フレイル予防」
「まだまだ介護は要らない」と胸を張る高齢者がいらっしゃいます。たしかに見た目も身のこなし方も若々しく見えます。しかし、歳を重ねるにつれて体調の変化を一定に保つのは難しくなりますし、老いは誰にでも静かに忍び寄ってきます。
だから、「介護不要イコール健康である」と必ずしも断言できないのです。最近、新聞や雑誌で「フレイル」ということばがよく使われます。フレイルとは「健康」と「要介護」のどちらでもなく、そのはざまにある心身の状態のことです。
どんなに強健だった人でも、軽い病気や老化が原因で生活機能の低下を感じるようになります。筋力や認知機能が落ちてくると要介護の状態になる危険性が高まります。健康にかげりが出て要介護に向かいつつある状態、それがフレイルです。
衰えの始まりと行き着くところ
たとえば男性に多いのは、いきなり脳卒中や心筋梗塞に見舞われ、回復したものの、そこから衰えが始まるケース。女性の場合は骨や筋力がじわじわと衰えて運動しづらくなるケースが目立ちます。いずれの場合も、一人で自立した生活をすることに“がんばり”が必要になってきます。
ちなみに、わが国の要介護(要支援)者数は、2020年から2045年までの間に約290万人増えるという推計が出ています。高齢になると、「今年は元気に過ごしているけれど、来年も元気でいられるのか?」という不安がつきまといます。でもご心配なく。早めの「転ばぬ先の杖」の準備は可能です。
要支援や要介護につながる直接的な原因の上位4つは、認知症、脳卒中、衰弱、骨折・転倒です(図2参照)。
これらは、いずれも身体をあまり動かさない、動かそうとしても機能が低下して動かせないことで起こりやすくなります。しかし、日々の生活での心掛け次第では、比較的予防しやすいとも言えるでしょう。
【図2】要支援・要介護に至る主な原因
出典:
厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」
第15表要介護度別にみた介護が必要となった
主な原因の構成割合2019年より
食べる、動く、人とつながる生活
健康長寿の鍵を握るのは、どうやらフレイルの予防にありそうです。元気な人は、意識するとしないとにかかわらず、自然とフレイルを予防するような生き方をしているものです。
つまり、そういう高齢者のほとんどは、食べることが好きで、よく歩きよく動き、積極的に友人や知人と会い、学んだり活動したりと地域社会とつながっている人たちです。65歳を過ぎたら「食べる」「動く」「人とつながる」の3つが生活のキーワードと言えそうです。
フレイルを予防して自立した生活を送るために
-
楽しくおいしく食事をしよう。 -
住まいの中の悩みごとや心配事をなくそう。 -
小さなケガを侮らないように。 -
自分の足で歩ける生活圏を広げよう。 -
人や社会に関わろう。 -
日々のさりげない会話をたいせつに。 -
幸福に満たされている自分をイメージしよう。
グランドマスト――健康長寿3つのみちしるべ
フレイルを予防し、「食べる・動く・つながる」を実践し、ひいては自立して健康長寿を実現していただくために、グランドマストがサポートしている健康長寿のための習慣をご紹介しましょう。
1 現地調理の食事を提供~「食べる」
管理栄養士が監修しているので、不足しがちなタンパク質を豊富に含む肉や魚を使った料理を提供します。おいしさへの配慮はもちろんのこと、タンパク質や栄養バランスの考えたメニューで筋肉をつけていただきます。これが自ら動くという自立度をアップしてくれます。
2 高断熱仕様の住まい~「動く」
健康長寿につながる住まい。高断熱の部屋なら脳梗塞による要介護のリスクを減らすとともに、冬場でもリビングに引きこもらずに部屋から部屋へとよく動くようになり、筋力がつきます。
断熱性能にすぐれた住まいの場合、知らず知らずのうちに身体運動が促されます。歩数に換算すると、その運動量は1000歩以上というデータもあります。身体を動かして筋力がつくという好循環は、室温に配慮する住環境デザインから生まれます。もっとも有効なフレイル予防策と言えるでしょう。
3 地域社会に溶け込み、人とふれあう
徒歩圏内の近くに商店街やスーパーやドラッグストアがあるのは、街中に立地しているグランドマストならではです。地域に住み慣れるほどに、つながりが生まれ出歩く機会も増えるでしょう。一人暮らしは孤独ですが、たとえ小さな不安や悩みでも同年代の方々と共有できるようなコミュニティがあれば安心です。
グランドマストでは、人とつながるイベントや活動を企画しています。立地する地域ごとに個性的な集まりがあります。たとえば、共有スペースでの健康体操もその一つ。
先に見たように、要介護原因の1位は認知症でした。「幸福度が高いほど認知症のリスクが低い」という研究データがあります。日々楽しい会話を交わしている人は幸福度が高いようです。会話をしていれば、孤立したり孤独を感じたりするストレスから解放されます。また、会話の相手が信頼できる人であれば心も落ち着きます。認知症だけでなく、幸福度の高い人はフレイルのその他の原因に対しても日々予防ができるでしょう。
グランドマストでは常駐のリビングアテンダーが、一人ひとりの表情をうかがいながらお声がけをしています。この、ちょっとした「ちょこまか会話」で人は笑顔になり幸福を感じるものです。
健幸現場レポート:グランドマスト大塚駅前
地域社会と生き生きとつながる事例として、『グランドマスト大塚駅前』での暮らしのイメージをご紹介します。
大塚は生活利便性と下町のレトロ感覚を併せ持つ住みやすい街です。近くに商店街があり、昔懐かしい銭湯「大塚記念湯」、創業52年のおにぎり屋「ほんご」、陶芸などのワークショップを体験できる表具屋「マスミ」、ジャズ好きにはたまらないバー「Live jazz bar Donfan」があります。
今ではほとんどなくなってしまった都電の駅など、大塚ならではのディープスポットが目白押しです。
『グランドマスト大塚駅前』の入居者様は、友達の縁結びが上手。地元のディープスポットを探訪したり、地元から離れてちょっとした日帰りの旅に出掛けたりされています。
グランドマスト大塚駅前ご入居者様の声
Y様(男性・70歳代)
「娘が新宿駅近くに勤務しており、何かあればすぐ来てもらえる距離感に住みたいという思いから、住まいは山手線内で探していました。ここは病院やスーパーも近くにあって便利。移動時間の短縮で生まれた余暇を満喫できるスポットも多く、日々を楽しく過ごしています。」
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