健やかに生きるために毎日の食事に向き合う

健やかに生きるために毎日の食事に向き合う

『最近ご飯を食べる量が減った』『いつものお菓子が欲しいと思わない』こんな悩みを年齢のせいと思っていませんか。もしかしたらその状態は「フレイル(虚弱)」かもしれません。

フレイルとは加齢により心身の機能が低下した状態で、要介護状態の一歩手前の段階だと考えられており、放っておくと要介護につながる可能性があります。しかし、普段から自分の健康状態に関心をもち、早い段階でフレイルに気が付くこと、適切な対処をすることで健常な状態に戻ることができる時期ともされています。

フレイル

フレイルを予防するための手段として、大きく3つのことが推奨されています。

栄養バランスのよい食事をとる・適度な運動をおおなう・趣味や社会活動の時間をもつ

今回の〈健幸みちしるべ〉では、「栄養バランスのよい食事」をとることについて、食生活や食習慣の観点から健康の秘訣を探っていきます。

目次

フレイル予防の条件――おいしく食べる

『おいしく食べる』ということは、本人自身が感受する素材や料理のおいしさがあります。そしてその至福の「おいしい時間」を朝、昼、夕に楽しめる日々を送りたいものです。

「おいしい」と感じながら食事ができていれば、しっかり食べるようになるし、栄養バランスにも関心が生まれてきます。『おいしく食べる』のは要介護状態やフレイルを予防する第一歩なのです。

栄養の質・量ともに十分な食生活を続けていくために、「味がおいしい」ことはもちろんですが、単に料理の味のことだけを指しているわけではありません。たとえば、盛り付け方や野菜の色、食器の装いで四季を感じたり、和食、洋食、中華など毎日のメニューに変化があることも大切です。「明日の食事も楽しみ」と思えることが『おいしく食べる』ことにつながります。

また別の視点で「共食(きょうしょく)」という考え方があります。家族や仲間と食卓を囲み、コミュニケーションをとりながら食事をすることを指す言葉です。「仲間と同じテーブルに就いて同じ食事をしているうちに、食わず嫌いをしなくなった」という効用も、共食にはあるようです。

もちろん、おひとりで静かに食事をしたい方もいらっしゃいますから、必ずしも賑やかな場が好ましいということはありません。食の楽しみ方は人それぞれです。純粋に味を楽しみたい方、みんなと談笑しながら食事をしたい方も、食事の場の雰囲気づくりが『おいしく食べる』ために大切な要素と言えます。

グランドマストの食事シーン

◀ グランドマストの食事シーン。お友達と同じテーブルで食事を召し上がる方もいらっしゃれば、おひとりの方もいらっしゃいます。とくにルールがあるわけではないのに、なんとなく指定席が決まってくるのは、それぞれ好みの居場所があるのでしょう。

バランスのよい食事――栄養を意識する

フレイルを予防するためにも、低栄養による「やせすぎ」を防ぐことが大切です。加齢により、噛む力や飲み込む力の低下、食欲の低下、食物をからだに取り入れる機能の低下などによって、低栄養状態になりやすいといわれています。

「あなたは健康的な食事ができていると思いますか?」と聞かれて、いつでも胸を張って「イエス!」と答えられるシニアライフにしたいものです。

バランスのよい食事

「特定の食品や栄養素をたくさん摂れば良い」というわけではありません。大切なポイントは「いろんな食品をバランスよく食べる」ということです。

“さあにぎやかにいただく”という言葉は、ごはんやパンなどの主食以外に毎日取り入れていただきたい10種類の食品群の頭文字を並べた合言葉です(東京都健康長寿センター研究所)。

この10種類の食材のうち、1日に最低でも4種類以上、できれば7種類以上を目指しましょう。その中でもたんぱく質は体を維持するためにとても重要な栄養素になるので積極的に摂取することが大切です。

【たんぱく質を多く含む食品例】魚、肉、卵、大豆等

毎日「一汁二菜」の組み合わせを意識するだけで、主食、汁と豆腐やワカメの具、主菜の肉または魚、副菜の野菜などがいただけます。これを昼食と夕食にして、朝食に卵や乳製品やサラダと果物を食べれば、10の食品群は簡単にクリアできます。ここまでの10の食品群と栄養分をまとめておきます。

食品群 栄養分
魚介類 たんぱく質とカルシウムたっぷり。四季を通じていろんな種類の白身・青魚、貝が食べられる。
油脂類 細胞を作る。料理ごとに植物性と動物性をうまく使い分けたい。
肉類 たいせつなたんぱく源。特定の肉に偏らないように、牛肉、豚肉、鶏肉などをバランスよく食べる。
牛乳・乳製品 ミルクやヨーグルトはたんぱく質やカルシウムが豊富。骨の密度を高めます。
緑黄色野菜 淡色野菜や根菜類もいっしょに。ミネラル、ビタミン、食物繊維がたっぷり摂れる。
海藻類 少量だけでもカリウムやカルシウムなどのミネラルが豊富に摂れる。
いも類 炭水化物、ビタミン類、食物繊維が豊富。おやつにもぴったり。
いろんな調理法で1日1個。様々な必須アミノ酸がバランスよく含まれている。
大豆・大豆製品 豆腐や納豆などの加工食品が一般的。たんぱく質が豊富なので肉の代替食品になる。
果物 一年中何らかの果物が旬。季節を楽しみながらビタミンCやミネラルを摂取できる。

グランドマストで送る、幸せな食生活

グランドマストでは、栄養バランスのとれた食事をおいしく食べていただくために下ごしらえから調理までを建物内の厨房で行い、できたての温かいお食事をご提供しております。

「肉料理」と「魚料理」で良質なたんぱく質を摂取

健康な身体を支えるために大切なたんぱく質。さまざまな栄養をバランスよく摂取いただくために、グランドマストの食事では肉料理と魚料理が同じ食卓に並びます。
※一部食事を除く

良質なたんぱく質の摂取だけでなく、お肉にはエネルギーを作り出すために必要なビタミンB群や、皮膚や腱、軟骨などの健康を保つために必要なコラーゲンなどの栄養
素が豊富です。また、魚には血液をサラサラにしてくれるDHAやEPA、肝臓の働きを助けるタウリンが含まれています。

このように、肉と魚どちらも食べることで不足しがちな栄養素を補うことができると考えています。

練馬桜台の建物内。食堂

▲豚肉塩昆布炒め、サワラの味噌バター焼き、たけのこご飯など

練馬桜台の建物内。共用廊下

▲「雑穀米の日」焼き魚と旬の野菜、牛丼の具、お麩の味噌汁など

練馬桜台の建物内。食堂

▲つくね風ハンバーグ、白身魚のきのこあんかけ、なめこの味噌汁など

練馬桜台の建物内。共用廊下

▲「イベント食」握り寿司、赤だし、茶わん蒸しなど

グランドマストの食事や食堂についての「入居者さまの声」を集めました

量も味も満足。スタッフの方も、入居者の方もみなさんやさしくて、いつも感謝しています。

健康管理が難しくなってくるので、多種多様なお料理で栄養バランスが良いことはありがたいです。

旬の野菜を使っていただくので、季節が感じられます。月に1、2回のイベント食も楽しみです。

肉と魚のバランスがよく、たんぱく質をたくさん摂れるので、よく考えられていると感心しています。

自炊派ですが、揚げ物など自分でできないメニューのときは利用しています。

これからも朝食・夕食を問わず「楽しい場」「人と付き合える場」として利用させていただきます。

読み物一覧にもどる