高齢者住宅への入居を考えた時、自宅近くの住み慣れた土地を選ぶ人がいる一方で、今までと違った場所に移り住む人もいる。
湘南に住んでいた大橋玲子さん(67)は4年前、積水ハウスグループの「グランドマスト西ヶ原」(東京都北区)に入居した。新天地を選んだ経緯、暮らしぶりを聞いた。
「今が人生で一番幸せだと息子たちに伝えています」
大橋さんの入居のきっかけは、夫が病気で他界したこと。二人の息子は東京で暮らしていたため、湘南の一軒家に一人になってしまった。
心細さから「古い木造の家で、風があたるだけでもドキドキし眠れなくなって」、外出もできない状態に。
そんな大橋さんを心配し、「長男がグランドマスト西ヶ原を探して、勧めてくれたんです」
同物件を選んだ理由は、「環境がいいからと言ってます。息子たちの住まいに近く、私の実家も近く馴染みがあったこともありますが。
次男も、ここなら母親が住んでも安心だと思ったみたいです」 ここでいう「環境」とは、自然・利便性などの住環境以外に、他の入居者と一緒にやっていけるかも含められるようだ。
「ここは皆さん良い方ばかりで。お会いしたときは挨拶しますけど、プライベートには立ち入らないんです」。
湘南では夫が歯科医院を開業していたため、常に近隣に気を配っていたが、初めて住む街で新鮮さを楽しむ今は、入居仲間と程よい距離感で接する関係に満足しているという。
掃除がすぐ終わり快適
掃除がすぐ終わり快適 「お部屋は一人暮らしにちょうど良い設計。お掃除がすぐ終わるので快適です」。
以前の住まいは150坪もある庭付き一軒家で、掃除に1日かかることも。その他、草取りや雪かきも大変だった。
東日本大震災の時はこの家ですごく怖い思いをしたが、「ここでは地震があってもフロントに人がいらっしゃるし、建物も頑丈だって言われて。安心していられます」
病院が近いありがたさ
昨年秋、買い物帰りに突然強い胸痛に襲われ、緊急手術を余儀なくされた大橋さん。心筋梗塞だった。
グランドマストの近くに大きな病院があったことで〝命拾い〞をしたという。「湘南で一人暮らしをしていたら危なかったと言われました」
40代前半から、同居していた舅・姑を介護。精神的ストレスも相当なものだったという大橋さんは、夫亡き後の不安からも体調を崩していたが、「グランドマストで安心感を得て、落ち着いています。今が人生で一番幸せだと息子たちに伝えています」
(定年時代令和3年6月下旬号 掲載)
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